渋谷でスカウトを受けた、17歳。

2019年5月8日 更新 WORK
渋谷でスカウトを受けた、17歳。
モデル歴は12年目。大好きなモデルの仕事。いつの間にかどんな仕事よりも一番長くやっています。そんな私の 「夢に気付いたきっかけ」 を今日はお話します。
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賞金がもらえるミスコンに参加

私は高校生の頃、イベントサークルに所属していました。当時、都内の大きなイベント会場を貸し切って毎年行われていた音楽イベント、[D-1]。地方からも高校生や大学生が集まり、雑誌やテレビでも取り上げられ注目されていたイベントです。私は幼い頃から大人の働く世界に興味があり、面白い経験がしたい!という理由でイベント運営側の参加を始め、イベントの面白さをたくさん教えてもらいました。そんな中、イベントの目玉の一つと言われている[ミスコン]の存在を知り、周りの進めで出場を決意。” 優勝すれば賞金10万円がもらえる!” の謳い文句を聞いてしまったら、ファッションネイルお洋服が好きな女子高生。参加しない理由がありませんでした。

水着審査まで

ミスコンに応募してから書類選考を数回通過し、イベント本番前に行われる準最終選考まで残ることができました。その選考は、実際に面談に行き、水着審査をする内容。当時、私は応募した時にはいなかった彼氏が出来ました。彼にミスコンの準最終選考に行くことを伝えると、「行くな」の一言。何回も話し合った結果、私は辞退する方向を選んでしまいました。これが[他人の意見を優先してしまう私]の始まりでもあります。ミスコンを辞退し、そのままイベント本番に向けて運営準備をしている中、雑誌社が取材で来ていてご挨拶させていただく機会がありました。雑誌編集部の方が、「スタッフの中で一番可愛い子はいませんか~?」と声をかけると、ミスコンを諦めた私の存在を知ってくれてる周りが後押ししてくれたのです。その時、運営準備の様子を撮影していて、たまたま私が2ヶ月に渡り2社の雑誌で誌面に載ってしまったのです。当時、全国の高校生が読んでたであろう雑誌に出た私は、周りの友達から凄い!と絶賛の嵐。ですが、そんな注目度とは反対にどんどん彼の嫉妬が大きくなってしまいました。

束縛が激しい彼氏

当時は気付かなかったのですが、今思えば完全に「束縛」でしょう。若い私は「束縛」に気づかず、イベントのことやミスコン、雑誌の話をすると彼が感情的になり喧嘩ばっかりになってしまうのがつらく、泣く泣く引退することを決意しました。(はい。ここでも[他人の意見を優先してしまう私]の登場です。)その後ミスコンを辞退したことと、雑誌をきっかけに、複数の芸能事務所関係の方から「モデルに興味ないか?」とお声を沢山いただいたのです。(当時はSNSがなかったので、友達伝いに連絡が来ることがほとんどでした)とっても嬉しくいろいろお話を聞きたかったのですが、彼の束縛が酷く「東京に行くこと」さえも縛られるようになり、郊外に住んでいた私は縁がなくなってしまいました。

109の前でスカウト

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ある日、都内への買い物を許可してもらった日のこと。(仕事で都内へ行く!というと許可してもらえなかったのですが、お買い物ならOK)大好きな109で買い物し、出てきたタイミングで声をかけられました。そう、あの夢にまで見た渋谷109前スカウトです!!!!!(時代を感じる・・・?笑)

私が出会った方は、どう見てもスカウトさんに見えない、小さくて、ぽっちゃりで、少しおハゲになられていて、一言で言うと「おっさん」。付け足すと「ちびはげのおっさん」でした。(すごく失礼)正直怖いし、とても芸能界の人に見えず(益々失礼)、1〜2回無視しました。ですが、そこそこしつこく&丁寧に声をかけ続けてくれるもので、つい立ち止まりました。すると、目の前に立ち、誠意溢れる対応で、「ありがとうございます!!!僕は、こう言うものです!!!」と名刺を差し出してくださいました。

当時、雑誌を読んで好きなモデルさんがいたりするものの、業界や芸能事務所に関してはとっても無知な17歳。流行りの渋谷系ファッションブランドリサーチするのに忙しいお年頃です。それ故、差し出された名刺の芸能事務所さんがわかりませんでした。(後々になって、そこの有名さがわかりますが、多数グラビアアイドルやモデル女優さんが在籍しているプロダクションです。)

階段のある裏路地へ連れていかれる

名刺を差し出され、「立ち話ではなんだから少し端に寄ろう。」と言われ、少し109から遠ざかり、階段のある裏路地まで一緒に歩いてきました。先ほどの誠意とは裏腹に人気のない場所へ進んでいくのに恐怖心を感じ「やっぱり…」と声をかけようとするところで、おじさんは立ち止まり、メモを取り出しました。「年齢を聞かせてくれる?今の職業は?得意なことはある?」などと、凄く細かく、そして紳士に優しく話しかけてくれました。きっと私の恐怖心が伝わっていたんだろう。と思います。

人に言ったことのない夢

私は、3歳から15歳までピアノを習っていました。芸能界では[特殊な趣味]を評価される傾向にあり、どこのオーディションでもよく聞かれることの一つで、モデルやタレントを悩ます種でもあります。私は、ピアノをやっていたおかげなのか音楽が好きだったので、昔から歌詞を書いたりメロディーを作ることが大好きでした。そして、歌を歌うのが好きで、いつか歌手になりたいと言う夢もありました。でも、恥ずかしくて友達に話したこともない。自信がなくて、言えたもんじゃない。けれどそのおじさんは上手く私の気持ちを理解して引き出し、いつの間にか人に話したことのない夢を語るぐらいまで話し込み、私が小さい頃どんな思いで歌手になりたかったか等の話も出来たのです。この時、口に出したことによって小さい頃の夢がますます現実味を感じ、自分の中で強くなっていきました。

私のやりたいこと・・・

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渋谷で声をかけてもらってからの帰路、私は名刺を彼氏に見つからない財布の奥に隠し、ドキドキした気持ちを押し殺しながら帰宅しました。きっと、私が芸能界をやりたいと言ったら、彼は反対するだろう。だからこそ今は隠し通して、自分がやりたいことは好きなように行動し、バレたらバレたでいい。やりたいようにやろう!と心に決めました。

おじさんと話した結果、自分のやりたい夢。それがなんとなく見えた気がした。いつか「歌手」になりたい。でも可能ならば「モデル」もやってみたい。最初のきっかけになった「モデル」にまずはチャレンジして、後々「歌手」になれるような土台作りをしよう!そう決めることが出来た、17歳でした。

意味のある時間を再認識

きっと、イベントサークルをやっていなければ、雑誌に載れることもなく、こう思うこともなかったかもしれない。おじさんと話さなければ、歌手になりたい夢を人に話せないままだったかもしれない。彼のおかげで、行動しないと何も始まらないということにも気づけた。この環境に意味があると思えたんです。あの時、本能のままに動いた自分に感謝しました。私に「やりたい夢」が出来た瞬間でした。