ある日、突然体がうごかせなくなった。
正確には、動かしたくなかったのだが、陰湿ないじめや、パワハラの日々に、無気力を通り越し、自分の存在を全否定された気がして、息をするのも嫌になった。
未だに思い出して泣けてくる程、傷は深い。
もう少し遅ければ、間違いなく自ら命を絶ったと思う。
夢いっぱいの社会人へ
学生時代の自分に会えるのであれば、はっきり言うべきだ。
「そんなに人生甘くない」と。
どこに就職するのか、お給料が幾らなのかは、それを知り得たうえでのことだと。
正直、教科書に書いてあることなんかより、ずっとずっと大切なことだと思う。
お金を稼ぐということ、社会人としての責任。
学生という守られている環境から出てしまえば、そこはほとんどが戦場で、敵方に撃たれて死ぬことだって大いにあるのだ。
無理なものは無理
人間それぞれ性格があるのと同時に、耐久性も違う。
身にまとう防弾チョッキが、コンクリート壁ほどある人もいれば、ティッシュペーパー程度の人もいるのだ。
しかし、そんなことは相手には見えない。
だから相手は、平気な顔をして近距離でバズーカ砲をブチ放してきたりする。
普段、こういう人に出会えば身を守るために距離を置くのだが、職場ではそうはいかない。
見たくもない顔、聞きたくもない声、破壊力抜群の攻撃からは、一切逃げられないのだ。
私の場合、性格は明るいが、想像以上の豆腐メンタルなのだ。
それをバレないように明るく気丈夫に振舞う性格だから、より一層えげつない攻撃がくる。
もちろん、一瞬で粉砕。
体も心もボロボロでありながらニコニコと二つ返事をしてしまう私は、無理なものを無理と言えず、嫌なことを嫌と言えず、本気で死のうと思うまで自分を追い込んだ。
当たり前ができない自分が嫌になる
友達もそうだが、周りの大人たちは仕事に対して、愚痴りながらも働いている。
社会人として、お金を稼ぐというのは生きていくうえで必要なことであり、仕事をするために今まで頑張って学生をしてきたと思うと、全てが無駄で無意味だったのではないかとも思えた。
結果、そんなことはないのだが、ボロボロな状態で明るいことなんて一つも考えられない。
悲しみ、苦しみという言葉では表せないほど、心の奥底から湧き出るヘドロのような闇が全てを支配していくような感覚に落ちていく。
苦しみの果ては、地獄か地獄
ここが大きな分かれ道なのだが、私の場合、天国ルートは存在しなかった。
と、いうのもある日を境に、もう無理だ、何もできない!となるのだが、今の地獄ルート以外は、リアルで死亡プランだったので、どちらにせよ地獄だと思っている。
・・・最終的に私は職場を早々に辞めたので、リアル死亡プランは回避できたが、職場が辞められない環境だったら、間違いなくお陀仏だっただろう。
逃げる人間と逃げられない人間とで、地獄の中でも軽めの地獄か、ド地獄かに分かれると私は思っているが、正直会社を辞めても地獄だと思うのは、社会復帰をするまでに相当キツイ思いをしたからだ。
周りの目や、理解力の乏しさは、ほんとにほんとにキツかったなぁ・・・
そういいながらも、今も軽く引きずっているので、死んだ方が楽になれて天国なんじゃないか?
なんて、思ってしまう後遺症持ちなのが、かなりイタイ。
一度蝕まれた心は、二度と元には戻らない気がしている。
泣きながら相談できた
社会人としての意味や、仕事をすることの意味を考え、正論で戦ってもボロボロのメンタルは一切回復しない。
むしろ、追い撃ちになるだけなので、考えない方がいい。
死にたいと本気で思うこと自体、正常ではないと思うことが大切で、安易に素人に相談せず、思い切って病院に行くのが一番だと思う。
例えば、友人や親に相談して
・皆そういう時もあるよ
・もう少し頑張れば気も変わるんじゃない?
なんて言われていたら、私は身投げ確定ボーナスだったと思う。
そんな私でも、今では夢や希望を言える程回復した。
きっかけは、医学的な考えを持っている彼に、言葉にならない程泣きながら全てを相談したことだった。
体を休めること以外はしてはいけないし、よくならなければ病院でお薬をもらうと約束し、私の親にも今は休むことが治療で、仕事はやめさせた方がいいと説明してくれたことは本当に感謝しかない。
そこから仕事復帰するのに1年半かかったが、正直1年半でよく復帰したなと自分でもびっくりしている。
もちろん個人差や、ボロボロ具合によっても違うので、復帰できる人もいれば、なかなか難しい人がいるのも現実だ。
正直私だって、いつ再発するかわからないのだから。
優先すべきこと

限界状態で、
「消えたい」「いなくなりたい」「無かったことにしたい」「死にたい」
などの気持ちが常にあるのであれば、さっきも書いたがお医者さんに相談するというのが一番で、思いのすべてを伝えるといい。
たまに、病院に行くのが恥ずかしいという人もいるのだけれど、精神科の先生は基本的に同じような症状の人を沢山見ているので、何も恥に思うこともない。
専門的な知識から、親身になって話しを聞いてくれて、自分にあった症状に合わせてお薬を出してくれるかもしれない。
周りの目が・・・と思う気持ちもよくわかるが、今は自分の事だけを考えることが大切ということを忘れないでほしい。
一番に優先すべきは、自分自身なのだ。
いやぁ・・・本当に私自身、周りの理解や支えで少しずつ回復することしかできなかった。
それ以上頑張ることも、考えることも、行動することも、全てが嫌だった。
だからこそ言いたいのは、自分の思いの全てを理解してくれる誰かにぶつけてみることや、頭や心がバグってることを認めてくれることが、一番の回復につながったということ。
死にたい気持ちは思った以上に身近にある。
死にたい気持ちが支配し尽くす前に、本来の自分自身をゆっくりと取り戻す機会を作ってほしい。