こんにちは!口唇口蓋裂ベビーママのmeiです。

今回は、出産して退院してから手術するまでの道のりを書きたいと思います!

出産編はこちらをご覧ください。

出産してすぐ、息子と離れ離れになった入院生活【口唇口蓋裂ベビーママ】
出産してすぐ、息子と離れ離れになった入院生活【口唇口蓋裂ベビーママ】

 

授乳が上手く出来ない

 

退院してやっと息子と一緒に帰宅し、初めての育児に奮闘する日々が始まりました。息子はもし口唇口蓋裂が無かったら世間的に言う『育てやすい子』なんじゃないかと思うくらい、色んなことを平均的にこなして成長してくれています。

でも、口唇口蓋裂ベビーだからつまずく部分、乗り越えなきゃいけない壁があります。

 

最初につまずいたのは『授乳』でした。

口唇口蓋裂ベビーは、専用のシリコン素材の哺乳瓶と、中に蓋が付いている唇を閉じる動作だけでミルクが出てくる乳首を使用して授乳をします。

赤ちゃんは本能的に、突起物が口元に触れるとくわえようとするので、口の中に乳首を入れることは特に問題はありませんが口唇口蓋裂ベビーは上顎に穴が開いていて、鼻の穴と繋がってしまっているため空気が口の中に留まらずに鼻から抜けてしまうので、『吸う』ということが困難で母乳をあげるどころか普通の哺乳瓶や乳首で授乳をすることが出来ません。

息子の場合は唇から右の鼻の穴までと、前歯部分の歯茎から上顎までが裂けてしまっているため、授乳をしている途中にその裂けている部分に乳首がズレていってしまい、本来ならそんなに力を入れなくても赤ちゃんの吸う力で哺乳瓶が安定する定位置が見つかるのですが、毎回私が息子の飲みやすい位置を探りながらの授乳だったので、とても大変でした。

裂けている部分からミルクが逆流して鼻から出てきてしまったりして、ミルクの量がなかなか増えないのにこれで大丈夫なのか...と何度も不安になり、出産した産院や色んな病院にほぼ毎日電話して不安な気持ちを訴えていました。

沢山声をあげたことで、色んな人の耳に入り声をかけてくださるようになって、役所の地域保健課の方や、産院の産後ケアの方や色んな病院の先生、看護婦さんなど沢山の方々が、アドバイスをしてくださり、私と息子を見守ってくれていた方々の存在に助けられました。

 

ホッツ床を作る為に歯科大学へ

 

口蓋裂がある赤ちゃんは、ホッツ床というプラスチックの歯型のようなものを作り、口蓋裂手術までの期間は口の中に常に入れて過ごします。

口唇口蓋裂の手術をする病院と、ホッツ床を作れる病院は別の場合があるので、紹介状などが必要になり、先生の説明やタイミングなど案内をしっかり聞いておく必要があります。

ホッツ床は、上顎の裂け目に蓋をする役目があり、それを付けることで吸う力を付けやすくなったり、食べた物や飲んだ物が鼻から逆流しにくくなったりします。それに加え、吸う力が付けば上顎の裂け目の幅も狭くなってきて、今後の手術の時に綺麗な形に形成しやすくなったりします。

 

口蓋裂がある赤ちゃんはホッツ床を作り、口蓋裂手術までの期間は口の中に常に入れて、授乳後や食後などこまめに入れ替えが必要なので入歯のように口に密着させずに過ごします。

 

私達からしてみたら、常に口の中に硬い板を入れて過ごすようなもので、赤ちゃんは常に口の中に違和感がある生活になります。

生後すぐにホッツ床を作成して口の中に入れておくことが当たり前になれば、赤ちゃんも何も違和感無く過ごすことが出来るので、先生から許可が出てすぐに作成してあげるのも親としてのお仕事です。

 

息子がホッツ床を作成した時の状態はショックが大きいもので、複数人の先生や看護婦さんに囲まれて口の中に歯型を取る為の粘土の様なものを押し込まれました。

息子を膝に乗せて横にし、口を大きく開けて(息子はギャン泣きしていたので、必然的に口を開けている状態でした。)顔を真っ赤にして、今までに聞いた事の無いような声で泣く息子を見て、"ごめんね"と涙が溢れてきて、安定するまでの数秒間は号泣している息子をただ押さえ付けることしか出来ませんでした。

でも、先生に"凄く可哀想だけど、赤ちゃんの為になることだからお母さん頑張って!"と言われ、また気持ちを立て直すことが出来ました。

 

初めての手術へのカウントダウン

 

口唇口蓋裂は、その度合いによって手術のタイミングや回数などバラバラです。

息子の場合は、生後5ヶ月で口唇裂の手術。1歳5ヶ月で口蓋裂。その後はまた様子を見て前歯歯茎部分。という流れで手術が行われます。

生後5ヶ月というと、息子はやっと首がすわってもう少しで寝返りが出来るようになるといった時期でした。前もって受け取っていた、手術の際に必要な書類や持ち物が記載されている書類を整理しながら"こんな小さな子が本当に手術しなきゃいけないんだ"と、辛くなる日が多くなりました。

周りの人達に"お母さんがしっかりしなきゃ""息子くんの為だよ""頑張れ!"と沢山背中を押してもらいながら、少しでも息子が居心地良くなるように、安心出来るようにと新品の物ではなく普段から家で使っている物を荷物に詰めて手術に向けての準備をしました。

バスタオル、着替え、オムツ、おもちゃなど準備が進むにつれて息子の衣類などが入っている棚に隙間が出来て、入院バックがパンパンになっていく間ずっと胸が痛かったです。

出産前に気持ちを固め、産後も"息子の為に全力で頑張る!"と決めたはずなのに、いざとなると弱い気持ちが溢れ、"ごめんね"という気持ちが止まらず...

"痛い思いをさせたくない"

"息子と一緒に逃げてしまいたい"

"でも大人になってこのままじゃ余計息子に良くない"

というのを毎日考えていました。

ただ、息子はまだ月齢が浅く付き添い入院が必須だったので、私も一緒に入院することになっていて"私が全力で息子をフォローするぞ!"という気持ちを奮闘させられるタイミングでもありました。

 

手作りの抑制筒

 

点滴の管を引っ張ったり口元の傷跡を触ってしまわないように、入院中は腕に『抑制筒』というものを付けて過ごします。抑制筒はハンドメイドサイトで出品されていたり、大きな病院などでは売店で販売されていたりしますが自作して使用する方も居ます。

それは個人の価値観と時間や体力にもよるので買った方が良い、作った方が良い、とどちらが良いと断言はしません。

私は息子を妊娠中に息子用のクッションを作ったりしていたので裁縫道具も手元にあり、布を買って自作しましたが...これが本当に本当に大変でした。。。

息子のお世話をしながらなので集中出来る時間も限られます。それに加え夜中の授乳で寝不足状態だったので、結局出来上がった物はボロボロでしたが...息子に完成した抑制筒を見せると笑ってくれたので、"まぁいっか笑"と思えたので作ったものを使用することにしました。

 

子供の存在は、母を強くする

 

自分にとって、これまでに無いくらい自分の命よりも大切で可愛くて仕方のない赤ちゃんに、痛くてつらい手術をさせてしまうのは、本当に胸が痛くて...何度も何度も産んだことへの自問自答をしていました。

でも、その時を振り返ってみて確かなことは、手術を乗り越える赤ちゃんを支えることで、自分自身も強くなっているということです。

『母は強し』とよく聞きますが、母には乗り越えなきゃいけない壁が沢山あるので、徐々に精神的にも体力的にも強く、たくましくなっていきます。

初めてのことなのだから、最初はメソメソしてしまっても仕方の無いことであり当たり前のことです。今一番大切なのは、子供の為に『強くなること』です。

赤ちゃんに物心がついた時、一番の支えで居れるよう、一番寄り添える存在になれるよう、少しずつ知識と力を蓄えて、口唇口蓋裂ベビーママとして強くなりたいと思っています。